CISCアーキテクチャ
パソコン初期からCPUの設計アーキテクチャと言えばCISCが主流で、Intel・AMDとも未だにこの呪縛から逃れられていないのが現状です。 『Complex Instruction Set Computer』の略がCISCです。要するに、プログラムを書く時に、CPUが理解できる命令文としていかに複雑な命令文で記述できるか、というのがCISCプロセッサのポイントです。
インテルの80x86CPUやモトローラの680x0CPUなど、80年代以降のパソコンを支えてきたCPUチップはCISCチップとして設計されてきました。
複雑な命令を駆使してプログラムできる利点がCISCアーキテクチャによるCPUの最大の利点ですが、反面、多様化してゆくCPU処理ニーズに対応するにはプロセッサパワー(例えば動作周波数)が向上し続けることが前提となり、特に90年代以降の「GHz・・・どっちが早い?」的なCPU性能比較が続く下地となっているのです。
RISCアーキテクチャ
CPUの命令文を切り口にしたもうひとつの形がRSICチップです。CISCに対するアイデアで、『Reduced Instruction Set Computer』の略称です。
CISC・CPUの特徴は「複雑な命令文セットでプログラムできるCPUである事」と書きましたが、実際に書かれたプログラムを見ると「以外と使われているのは殆どが単純な命令」である事も知られるようになると、「そんなに複雑な命令セットを持ったCPUなんて要らないじゃないか」という声が上がるようになります。
そこで、「余分な命令セットをバッサリ落として、必要なものだけを理解するCPU」として設計されてきたのがRISCチップです。代表的なものはモトローラのPowerPC。一時期のパワー・マックを支えたCPUですね。
RISCとCISC・CPU、結局は・・・・。
結論から言うと、PowerMacの失敗を見ても理解できる通り、RISCチップは少なくともパソコン市場では過去のものとなったと言っていいでしょう。
一部はスーパーコンピュータや超高機能サーバーなどで残っていますが、パソコン用チップといえば、CISC全盛が現状です。
日頃見聞きするインテル・CoreシリーズもAMDのCPUも皆CISCチップです。但し、ややこしいのは「内部RISC的処理」という考え方で、現にインテルもPentium ProからPentium IIIプロセッサまでを主軸に「CPU内部で命令セットをRISCなみに単純化して処理」する事で処理速度を上げるという手法を取っています。
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